【完結】遺族の強い希望により
それは背筋が凍るような冷たい声だったが、実際にそのノートを目にしているみのりも亮も冷静だった。


「これ多分、俺たちくらいの歳の頃のだろう」

「うん、まだ結婚どころか、玲奈のママとは出会ってもいない大昔だと思う」

「そもそも不倫で交換日記はしないだろ」

「うわ、確かに! 怪しすぎるわ」


2人が口々に言って笑い出すと、玲奈はほうっと大きく息を吐き出して脱力していった。

漸く少しは安心出来たのだろうか、と、みのりはその姿を確認して苦笑する。


「どうする? 玲奈……これ全部、読む?」
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