【完結】遺族の強い希望により
代わりに読めと言われれば、そうするつもりだった。

だが、これ以上首を突っ込むべきではないという思いもある。
玲奈を心配すると同時に、それとは全く別で、純粋に彼女の父の若い頃の恋愛模様にも興味が湧いてしまったから。

何十年も昔の日記がこうして残っているのだ、他人が面白半分で荒らして良い思い出ではないだろう。


全てを玲奈の意思に委ね、みのりは質問を発した。


迷い、躊躇い。
俯いたままの玲奈に見え隠れするのは、不安と一縷の希望。
疑いが晴れれば良い、だがもしその逆だったら、待っているのは今以上の絶望だ。

静寂が部屋を支配し、みのりも亮も、じっと玲奈が答えを出すのを待った。
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