【短編】 過多想い
ちっ…

うっせー電話だな


ディスプレイを見た


≪神崎健太≫
―カンザキ ケンタ―



健太か…


俺の1番の親友


付き合いだって長いし同じクラス





「何だよ?」


《何だよじゃねーよ
 おまえ楠瀬と別れたのか?》


「あぁ…昨日ふられた」


もう噂になってんのか?

って事は心愛は来てるのか?


《おまえいいのかよ?》


「ふられたんだから仕方ねーだろ」


全然仕方なくねーけど


《おまえはバカか?
 素直になりやがれ》


俺にストレートに言ってくるなんて
健太ぐらいだよな


「もうおせーんだよ」


《じゃあ楠瀬を志田に取られてもいいのか?》


「はっ?」

どういう事だ?

次の男は志田なのか??


《多々良と楠瀬の会話が聞こえたんだよ
 あっ…楠瀬が屋上に向かってる
 どうやら志田が今から楠瀬に告るみ》

プツッ


俺は健太の話を最後まで聞かずに
携帯をぶち切った



大急ぎで制服を着て
有り得ないぐらい全速力で学校に走って


玄関で待ってた健太にも止まらず


「陽大頑張れよ」

「健太ありがとうな」

そのまま屋上に向かった



ふられてもいい

俺の気持ちを伝えるんだ

心愛が告ってくれた時のように…

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