【短編】 過多想い
次の日の朝
学校に行くと廊下で
楽しそうに話す陽大を見つけた
隣には可愛いって有名な
浅田さん
どうして浅田さんには
そんな優しい笑顔を向けるの?
そんな陽大の笑顔
最近見てない
友達だった時は1番私に向けられてた
付き合わなければ良かった?
浅田さんが好きなの??
このまま付き合っていける?!
もう友達にすら戻れない
そのまま見ていると涙が出そうで
俯いて2人の横をすれ違った
「あははは、すっごいおもしろーい」
「だろ?!
浅田にはわかると思ったんだ~」
楽しそうな2人の声
聞きたくない
足早に教室に向かい自分の席に座った
視界が滲む
「心愛おはよ?」
泣いちゃダメ
下唇を噛み締めて何とか堪えた
『おはよ、結海』
親友の多々良結海―タタラ ユウミ―
「あぁ今日も朝からテンション低いね~」
『えへへ』
「はあぁぁぁ~」
結海は大きなため息をついて
「おいで」
私の手を掴んで歩き出した
廊下に出た途端、チラッとさっきいた陽大の方を見て
陽大と浅田さんの姿がない事に少し安心したんだ