バレンタインなんていらねぇ?![短編]
バレンタインデー
____当日
「あれ、千尋、誰かにあげんの?」
朝、リビングにきたら、
ピンクのラッピングがしてある袋が、
机の上に置いてあった。
「あ、これはお兄ちゃんのじゃないからっ」
自分の後ろに隠すようにする、妹。
「お兄ちゃんとパパは冷蔵庫に入ってる」
「あっそ~。どうもありがとう」
「なにさ~もっと喜んでよっ
まぁ、お兄ちゃんは貰えるもんね。
全部義理チョコだけど」
笑いやがって……。
あってるから余計ムカつく。
中2になったら、
妹は可愛くなく育った。
前は可愛かったのにな~。
「バレンタインなんてなくなればいいのに……」
「お兄ちゃんは好きな子に貰えないから、
そんなこと思うんだよ~」
「もう今年も貰えねぇから……」
「……ドンマイ」
妹に慰められる俺って……。
バレンタインなんて全然いいことねぇよ。
追われ追われ、迫られる日々……。
そして今日は、
北川が彰にあげるし……。
あぁもうっ
バレンタインなんていらねぇーー!