バレンタインなんていらねぇ?![短編]
「ねぇってば~お願い〜♪」
「だから無理」
いつまでもしつこいな。
俺はもう帰りたいんだよっ。
「はぁ?こんなに私が頼んでるっていうのに」
突然、大塚がコロッと変わった。
さっきまで高い声で寄ってきたと思えば、
今度は声が低い。
いや、こっちが本性なのか……。
「悪いけど、俺忙しいから」
「悟の役立たず」
ブチっ
「……お前の本性言いつけてやんぞ?」
「なによ、私がくっついたら、
鼻の下伸ばしてたくせに」
「誰がお前なんかにドキドキするかよっ」
ふざけたやつだ。
ギャルなんて嫌だってのっ。
「嘘つかなくてもいいのよ~」
と言って、くっついてくる大塚。
「やめろっきもちわりぃか「悟?」
「おぉ。彰」
石山彰‹イシヤマアキラ›は2個のバックを持って、
俺らのところにやってきた。
もう1個のバックは、おそらく俺のだろう。