【完結】bitter step!
自分のウーロン茶と、美紗が好きなミルクティーと、純平は……コーラでいいや。

ガチャン、ガチャン、と音を立てて、次々に取り出し口に落ちてくるペットボトルたち。
その様子を見ていた美紗は、また顔をしかめてため息を吐く。


「1個ずつ取り出さないと」

なんて、細かいことを言う。

大丈夫、一見詰まって取れないように見えても、一番下のヤツから順番に横に滑らせれば取り出せるんだから。
と、反論したところで「そういう問題じゃない」とか跳ね返されるのは目に見えているので、聞こえないフリだ。


最後の1本、先輩の分。
昨日飲んでいたのは、確か――。

ボタンを押す。
ピッと電子音が鳴り、缶コーヒーが落ちた。


それを見た純平が、

「お前、意外と律儀だな」

と感心したように鼻を鳴らした。
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