【完結】bitter step！

考えても答えの出ないそれらの問題は、どんよりと濁った底のない沼に引きずり込まれるような錯覚を起こさせる。
ボクは早々に考えることを放棄した。


どちらにしろこれはさっきの悪戯の罰で、美紗の機嫌をあれ以上損ねたくないボクは抗うこともできないわけで。
考えても（例え答えが出るにしても）、どうにもならない（どうせチョコレート地獄からは逃れられない）。

……自業自得なんだけど。


なるべく視覚と嗅覚を遮断して美紗に任せている内に、ボクが持たされた買い物カゴはいつの間にかいっぱいになっていた。

巨大なブロックのチョコレートがビターだったのがせめてもの救いだ。
他にも何に使うのか分からない粉やら型やらが次々に放り込まれて、カゴの中に乱雑に積み重なっていた。