【完結】bitter step!
純平の日に焼けた顔がくしゃりと崩れ、ボクはその笑顔に安堵の気持ちを読み取った。

ボクが女の子であることも、純平が男であることも、純平にとってボクが【女】じゃないってことも、紛れもない事実だ。


遠慮のない力を込めてボクの頭をぐしゃぐしゃに撫でまわす純平から、太陽と、汗の匂いがする。


「純平」

「お?」

「……すっげ、汗くさい」


また戦闘に突入する前に、ボクは素早くベッドから飛び降りた。


「嘘吐くなお前! 部活の後シャワー浴びたぞ!」

「いいや、臭い! 降りろよ、ベッドに匂いが付く!」


床に転がっていたクッションを武器に、結局同じことの繰り返しになったけど。
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