【完結】bitter step!
……【意外】って、何だろう。


意味が分からずに言葉に詰まっていたら、口を一文字に結んで真剣な目をした純平の顔がボクをじっと覗き込んでくる。

沈黙の中、ずっとこうして目を合わせているのはなんだか気まずくて

「――……何? 意外とって」

声を発した瞬間、純平は元の体勢に戻り、もう一度グラスを口に運んだ。

彼の喉ぼとけが上下してジュースが飲み下されていくのをぼんやり観察していたら、

「や、最近荒れてるかと思ってたんだけどな」

と、予想外の言葉が紡がれる。


「最近、荒れて……?」


思い当たる節は――、ある。

でもそれを、純平が気付くわけ、ないじゃないか。
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