【完結】bitter step!
――ギッ

と、その時不意に聞こえてきたのは、更衣室とシャワールームがある建屋の、少し錆びついたドアが軋む音だ。

その途端に3人の間の空気がぴりっと張りつめた。
こうして外まで逃げてても、迷惑なことに、来るヤツは来る。


ゆっくり、音のした方を振り返り確認する。
……女だ。


「純平」

ボクはベンチに座ったまま、ため息まじりに幼馴染を見上げる。
隣に座る美紗も、ため息。

純平は困ったような顔で、ポリポリと頬を掻いた。


姿を現したままその場を動こうとしない女に向かい、純平が一歩踏み出そうとしたその時、

「なお先輩」

その女が、ボクを名指しで呼んだ。


なんだ……、こっちかよ。
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