【完結】bitter step!
焦った自分に笑いながら、無意識に手を伸ばした先のクッキーをまじまじと見つめる。


先輩は気遣いのヒトだ。
いくら遠出をしたからって、わざわざお土産を買おうとか思ってくれるところとか。
さらに、わざわざこっちの好みまで聞いてきてくれるところとか。


……こういうのは、遠慮せずにもらっとくべきなのか、否か。
ボクにはちょっと判断付かなかった。

ただの友人じゃない。
先輩は、ボクに告白してきた人なんだから。


だけど、なんとなく――、ボクが返事をしなかったとしても、先輩はお土産を買ってきてくれる気がする。
それなら、聞かれたことには答えよう。



『電話出れなくてすみませんでした。
甘いもの嫌いじゃないです。激甘はNG。純平は変わりモノ好き。美紗はなんでも食べます。』

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