【完結】bitter step!
……お土産って、さすがにボクだけにってことじゃないよな?

こないだのデザートの一件もある。
あの時だって彼は、全員分のデザートを用意してくれていた。

決してボクの気を引くためじゃなく、自然とああいうことが出来ちゃう人なのだろう……多分。


メールを打つ手を一旦止めて、チョコチップクッキーをまたひとつつまみ、日本茶で流し込む。

長いメールは苦手。
めんどくさくなって電話しちゃうのが常なんだけど、ボクから先輩に電話をかける気にはならないようだ。


迷いながら最後に『チョコとクッキーは間に合ってます。』と打ち込む。
……なんかコレ、図々しくないか?


響先輩はお土産屋さんの店頭で返信を待っているのかもしれないと思い立ち、あんまり待たせるのも悪い気がして焦ってくる。
電話をしてきたくらいだから、早く返事を欲しがってるかもしれない。


そわそわと携帯を片手に店先をうろつく先輩を想像したら、その姿が案外可愛くて、笑えてしまった。
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