【完結】bitter step!
「……響先輩?」
『――なお!? ごめん、今、会計してるところだったんだ』
……すぐに出られなかったことを詫びる先輩の声は、電話越しだといつもより半音くらい高く響いた。
やっぱり、先輩は店先からさっきのメールを寄越したんだ。
ボクの返事を待って、短い返信を送るとすぐにレジに並んだに違いない。
勝手に想像するその姿は、何故だか笑いを誘った。
「ううん、ボクもさっきは出れなくて。携帯放置してて、気付かなかったんです」
『忙しかった?急にかけて、悪かったね』
「や、自分の部屋に置いたまんま、リビングでお茶してたんで」
今急に電話をかけたのはこっちの方なのに、響先輩はやっぱり気遣いのヒトだった。
気遣いの応酬が続くのも面倒なので、こっちこそすみませんという言葉は言わなかった。
『――なお!? ごめん、今、会計してるところだったんだ』
……すぐに出られなかったことを詫びる先輩の声は、電話越しだといつもより半音くらい高く響いた。
やっぱり、先輩は店先からさっきのメールを寄越したんだ。
ボクの返事を待って、短い返信を送るとすぐにレジに並んだに違いない。
勝手に想像するその姿は、何故だか笑いを誘った。
「ううん、ボクもさっきは出れなくて。携帯放置してて、気付かなかったんです」
『忙しかった?急にかけて、悪かったね』
「や、自分の部屋に置いたまんま、リビングでお茶してたんで」
今急に電話をかけたのはこっちの方なのに、響先輩はやっぱり気遣いのヒトだった。
気遣いの応酬が続くのも面倒なので、こっちこそすみませんという言葉は言わなかった。