【完結】bitter step!
2月12日――一番大切な人、だけ?
3連休明けの学校は、寝坊生活に慣れたボクには少しだけ朝が辛い。

冴えない頭を振りながら洗面所に立つと、見慣れないモノが鏡に映った。

――なんじゃ、これはっ!


一気に目が覚めた。
ボクの右頬、いや鏡に映っているのだからこれは左だ。

左頬に2つ、ぷくっと腫れた赤いデキモノが並んでいた。


「うわぁ……」


哀しいかな、連日の練習の成果だ。
チョコとかクッキーとか、油分の高いものを大量摂取した報い。
ちくしょう。


元よりボクはスッピン主義、いや正確に言えば、メイクなんてしたことがない。
興味がない、そして面倒くさいから。

美紗みたいなメイク上手だったらうまく隠せるのかもしれないが、そんな技術も道具すらもボクは持っていないというのに!
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