【完結】bitter step!
「おお、お前もついにバレンタインデビューかっ!」

ボクがバレンタインというイベントに参加する件について、最もその反応が気がかりだった純平は、拍子抜けするほどあっさりとソレを受け入れた。


「殺人的なモノは持ってくるなよ」

と、若干予想通りのことも言ってくれたけど。


そしてこの時になって、ボクはようやく気付いた。
ボクのことを好きだと言った響先輩にチョコレートを渡すという行為について、ボクは大して深く考えていなかった事実に。


……それって、あんまりよろしくないんじゃ?
ソファから腰を上げつつ、先輩の顔色を窺う。


彼は、ボクにはなんとも読み取ることのできない微妙な表情をしていた。
……はて。
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