【完結】bitter step!
「なんでまた、そんな遠くの大学に」

ようやく1個まんじゅうを手に入れて満足したのか、純平が話に首を突っ込んだ。
ボクが知りたくて、それでも聞けずに飲み込んだ疑問を代弁するように。


そうだよ、先輩はなんで九州なんかに。


「――地熱発電って、知ってる?」

と、先輩は何やら小難しい質問返しをする。

「……言葉くらいは」

純平のその曖昧な答えは、彼がボクと同じくらいその言葉を知らないという事実を表していた。


美紗は知ってるだろう、と顔を向けると、さらに小難しい単語を並べて(ボクにとっては英語のリスニングをしているみたいなものだった)先輩にその概要を確認した。

正直、さっぱり分からない。
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