【完結】bitter step!
「要するに、日本みたいな火山大国には大きな可能性がある発電方法なんだ」

美紗の言葉を粗方認めた後に、噛み砕いた言葉でボクたちに説明するように先輩は言った。

「だけど現状はまだ、色々問題もあって――。その研究を、したくてね」


遠回りな説明だったが、つまりそれが、先輩が九州へ行く理由だった。
その分野に特化した大学があるのが、たまたま九州だったというだけ。


「原発事故にはじまって電力不足が問題になった頃から、少しずつ調べていたんだ」


そう明かした響先輩は――、

思っていたよりもずっと、遠い人だった。
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