【完結】bitter step!
かなり先までタイヤの上を行ってしまった純平には、別に聞かせるつもりはなかった。
けれど声は彼に届いていたようで、ボクの独り言を聞きつけた彼は、わざわざタイヤから飛び降りて戻ってきた。

何やら得意げな顔で、ボクの真正面にピンと姿勢よく立つ。


「……純平、何やってんの?」

「馬鹿、良く見てみろ」


純平は、さらに胸を張るように姿勢を強調した。
意味が分からずにその顔を見上げる。


……あれ、見上げてる?
もしかして。


「純平、背ぇ伸びたの?」
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