【完結】bitter step!
「なんか、今登ると意外と小せぇな」


馬跳び用のタイヤだって低すぎたのだから、純平のそのセリフは当然と言えば当然だ。


別に恐竜が縮んだわけじゃない。
ボクたちが、大きくなっただけ。

1段1段タイヤを乗り越えるのが必死だったあの頃のボクらとは、もう、違う。


純平は恐竜の鼻先にぶら下がって、一気に地面に飛び降りた。
こんなことも、もちろんあの頃は出来なかったのに。


ボクは肩まで降りてから、純平の真似をして飛び降りた。

着地した瞬間、足場が柔らかく少しだけ沈み、靴に砂が入った。
そっか、恐竜は砂場に立ってたんだっけ。
< 262 / 707 >

この作品をシェア

pagetop