【完結】bitter step!
「お前なぁ」

と、純平が顔をしかめた。

「なんだよ?」

首を傾げながら尋ねる。
そんな、顔しかめられるようなことはしてないはずだ。


「女子高生のすることじゃねえぞ」

……純平のその言葉に、一瞬だけ詰まった。

たまに、ほんとにごくたまに、気まぐれに。
こうやって女扱いをしてくるのは、やめてもらいたい。


「――登ること? それとも、飛び降りること?」

「……両方だ、バカ」


顔を見合わせて、ボクらは同時に吹き出す。
純平の力強い手が、いつもみたいにボクの頭をぐしゃぐしゃと撫でまわした。


「まだ、入れるかな」

と、恐竜のお腹の中を覗き込んだ。


コイツには足は存在しなくて、胴体から上が砂場に生えている。
よくよく見ると、ちょっと不気味な構図だ。
< 263 / 707 >

この作品をシェア

pagetop