【完結】bitter step!
恐竜の入口を覗き込むと、やはりそこも昔感じたような広々とした空間ではない。
だけど、まあ――、

「入れない、こともない」

ボクがそう言うと、後ろから純平が押し込んで来た。


「ホラ、早く入れ!」

「わっ! バカ、2人は無理だよ!」


街灯の明かりも届かない恐竜のお腹の中は、当然のことながら真っ暗だった。
そして、かなり狭い。
あの頃は3人入っても、かなり余裕があったような気がするのに。


「狭い! 出てよ!!」


純平が躊躇いなくボクの後に続いて入ってくるものだから、ボクは行き止まり、つまり恐竜の背中側の壁にぶち当たる。
タイヤだから、別に痛くもないけど。
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