【完結】bitter step!
そして小さな入口からついに全身を中に突っ込んだ純平との距離も、びっくりするほど近かった。


「うわっ! 狭ッ!」

後から無理やり入ってきておいて、純平が文句を言う。

「だから、さっきからそう言ってんじゃん!」


本当に狭い。
座る事すら出来なかった。


さっさと出ろよ、と、外に押し出そうと力を込めても、純平はその場をびくとも動かない。
何を思ったのか、彼はここに止まることを決めたようだ。


狭い、暗い空間で、非日常的に近い距離に、ボクは純平の体温を微かに感じた。
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