【完結】bitter step!
「明日のパーティ、生徒会長のお別れ会兼になっちゃったわね」
別れ際に美紗が呟いた。
まだ卒業するわけでも、遠くに行くわけでもないのに。
だけど確かに、生徒会室で顔を合わせることがなくなれば、もう彼には会うこともなくなる――のかもしれない。
「まだ物理というつながりが残ってるぞ」
という純平の身も蓋もない言葉を、ボクは美紗に倣ってスルーした。
響先輩が過去問を持っていて、我らが美紗先生に欠けた【空白の1週間】を補填してくれるというのは実に魅力的な提案だった。
だけど今の段階で手放しで喜んで迂闊にそれに飛びつけない理由が、ボクらにはあるのだ。
……そしてボクの方が、2人よりも1個、その理由が多い。
来週に控えた学年末試験についてそれ以上触れることなく、その日ボクらは解散した。
もう少しだけこのまま、という願いが、届くことは無かった。
別れ際に美紗が呟いた。
まだ卒業するわけでも、遠くに行くわけでもないのに。
だけど確かに、生徒会室で顔を合わせることがなくなれば、もう彼には会うこともなくなる――のかもしれない。
「まだ物理というつながりが残ってるぞ」
という純平の身も蓋もない言葉を、ボクは美紗に倣ってスルーした。
響先輩が過去問を持っていて、我らが美紗先生に欠けた【空白の1週間】を補填してくれるというのは実に魅力的な提案だった。
だけど今の段階で手放しで喜んで迂闊にそれに飛びつけない理由が、ボクらにはあるのだ。
……そしてボクの方が、2人よりも1個、その理由が多い。
来週に控えた学年末試験についてそれ以上触れることなく、その日ボクらは解散した。
もう少しだけこのまま、という願いが、届くことは無かった。