【完結】bitter step!
「なお、それ例のモノねっ!?」

いつもの倍くらいキラキラした目で美紗が聞いてくる。

「おー、それか! で、本当に大丈夫なんだろうな?」

失礼なことを言いながらも、純平も興味があるようだ。


手提げの紙袋と純平のスポーツバッグに交互に視線を送り、

「コレ、そのバッグに入れてくんない?」

と、ボクは純平に救済を求めた。
ボクがバレンタインデーにチョコ持参で登校とか、色んな意味で目立ちすぎる。


「お前……このカバンが半分以上空洞だと何故分かった!」

アホか。

「だって純平が昨日1人で勉強するために教科書持って帰ったとは考えられないし」

「今日はテストの話はするな!」


いや、だから。
……まあ、その意見には賛成したいけど。
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