【完結】bitter step!
ボクと純平が開けるのを躊躇ったドアに、後ろからすっと手を伸ばしたのは美紗だった。


「何してるの?早く、入りましょうよ」


――朝の変に浮かれたテンションでも、物憂げな様子でもなく、美紗はいつも通りの美紗だった。

目を細め、首を少しだけ傾げて微笑んだ彼女は、どこからどう見ても完璧なまでの美少女で。


その様子が、今日がいつもとは違う日だというコトを、一瞬だけ忘れさせる。


……美紗は、怖くないの?


その問いが口をついて出る前に彼女は生徒会室へ足を踏み入れ、純平がその後に続いていった。
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