【完結】bitter step!
間に挟まれたボクと純平は、2人の顔を交互に見ながらこっそり視線を交わす。


――分かる?
――いや全然

頭のいい人間の考えることは、ボクには(ボクたちには)到底理解出来ないのだ。


「だから」

次に美紗が発した声のトーンは、あまりにも低く冷たかった。


顔を上げる。
彼女はもう、笑っていなかった。


「私が今日あなたの大切なものを壊しても、決して怒らないでくださいね」


その言葉に弾かれたように、心臓が、大きくひとつドクンと脈打った。
静まり返った生徒会室に、その音が響き渡ったんじゃないかと思うくらいに大きく。
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