【完結】bitter step!
一番大切な人――今でもこんなに、大好きなのに。
席を立って部屋を出るまでの間に、ホワイトボードの向こうに純平が消え、次いで、先輩が消えた。
2人とは、順番に視線が絡んだ。


不安そうな純平を気遣う余裕も、心配そうな先輩に笑いかける余裕もボクにはない。
一方的に退室を告げてカバンを手に先に生徒会室を出た美紗の背中を追って、ただ足を進ませる。


ボクの身体が部屋から出たのを確認すると、美紗は一旦振り返り足を止めた。

そして中にいるどちらにともなく、

「後は、よろしくお願いします」

と彼女は言った。


敬語だったから先輩に向けた言葉だったのか、それとも2人に向けた言葉だったのか、その言葉の真意も、ボクは分かっていなかった。
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