【完結】bitter step!
「ボクは――、女の子だよ」
ボクの頭を片手で押えつけたまま、純平の右手が、何かを確認するかのように顔をなぞった。
手が目に入りそうになり、思わずぎゅっと目をつぶる。
その手は目には入らなかった。
顎を掴んで、親指が唇をなぞる。
恐る恐る瞼を開けると、深い傷を負った、暗い光を宿した目と、視線が絡んだ。
瞬間、その目から迷いが消えた。
――一瞬のことだった。
強引に引き寄せられた顔が近づいて、唇より先に歯が当たった。
噛みつくような――、攻撃本能と防衛本能だけに従った、痛みを伴うそれが
ボクの、ファーストキスだった。
ボクの頭を片手で押えつけたまま、純平の右手が、何かを確認するかのように顔をなぞった。
手が目に入りそうになり、思わずぎゅっと目をつぶる。
その手は目には入らなかった。
顎を掴んで、親指が唇をなぞる。
恐る恐る瞼を開けると、深い傷を負った、暗い光を宿した目と、視線が絡んだ。
瞬間、その目から迷いが消えた。
――一瞬のことだった。
強引に引き寄せられた顔が近づいて、唇より先に歯が当たった。
噛みつくような――、攻撃本能と防衛本能だけに従った、痛みを伴うそれが
ボクの、ファーストキスだった。