【完結】bitter step!
携帯が鳴りやみ、静寂が戻る。


「純平」

後悔なんか、してほしくなかった。
それくらいなら――、何も、しないで欲しかった。


「なかったコトにしよ。ボクも忘れるから」


だから、もう、出ていって。

ボクが純平の慰めになれないのなら、これ以上ここにいないで。

一緒にいても傷つけあうだけなら、いない方がいい。

相手を責めても、自分を責めても、ただお互いの傷が深まるだけなら。


ボクだって――、純平を傷つけたいわけじゃ、ないんだ。
ボクを傷つけたことを後悔して純平が傷つくくらいなら、もう、消えてよ。
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