【完結】bitter step!
「はい、これ」と手渡されたモノを見て、思わず

「……げっ」

品の無い声が漏れた。
仕方がない。
心からの本心なんだから。


「去年の、学年末試験……」

気まずそうに苦笑しながら、見ればすぐに分かることを先輩は補足説明してくれる。

「まあ、それどころじゃないとは思うんだけど……」

と申し訳なさそうに頭を掻きながら彼は言った。


正直今は、考えたくない問題だった。
キャパを大幅に振り切った今のボクにとっては、非常に優先順位が低い。

けど、テストだって着々と近づいていて、避けては通れない道であることは確かなのだ。


「助かります! けど……」

ボク1人じゃ、過去問があったって、多分何の役にも立てられない。


勉強会は――、これから、どうなるんだろう。
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