【完結】bitter step!
今まで通りにやろうと言われても、気まずいのは当然で。

それ以前に、普通に顔を合わせられるかも分からない。
明日が来るのが怖いくらいだ。


それなのに、勉強会はもうなしと言われてしまったら、それはそれで赤点まっしぐらなのだ。
また都合のいいコトだけ望んでいる自分に、少しだけ嫌気がさして俯いた。


そこに降ってくる、

「なお」

優しい声。

「僕が教えるから」


もはや本当に天使に思えてきた彼のその言葉に顔を上げる。
だけど――、

響先輩は、辛そうに目を細めてボクから視線を逸らした。


「……勉強会が出来なくなった代わりに、もしも君が望むのなら、僕が君に勉強を教える。――それは、……【彼女の】望みだよ」
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