【完結】bitter step!
ボクたちの先生である彼女は、今まで一度もボクたちを見捨てたことが無かった。
何があっても……、こんな時でさえ、そうなのだ。

こうなることも初めから分かっていた上で。
ボクが困らないように、手を打っていてくれた。


それに気付くと同時に、響先輩があの時どこへ行ってしまったのかを理解した。
美紗を、追ってたんだ。


ボクは収拾のつかない感情の波に溺れていたのに。
すべて見透かした2人の手の上を、ずっと転がされていただけような気になってしまう。

全然違うのだけど、頭では分かっているのだけど。
何故か、面白くなくて。


目の前にいる先輩から考えを逸らすように、純平はどうするのだろうと勉強会のことを考えた。
そして……彼が美紗を避ける理由はひとつもないことに、思い当たった。
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