【完結】bitter step!
ああ、そうだ。
こういう反応をするんだった、この人。
ちょっと意地悪だったかも。


「……甘酸っぱい」

遅れて返ってきた返事に満足する。

そして話を――

「先輩のせいなんて、思ってないです」

戻す。


「むしろ、助けられた」

「でも」

反論なんてさせない。


「だから二度と言わないで。自分を責めるようなこと、二度と」


振り返った先輩と、視線が絡んだ。

ボクの目をじっと見つめたまま、先輩は手だけを動かしてお茶を取り、すする。

ゴクリ、と小さく音が響いた。
ボクはその間に、3回瞬きをした。


そして――、響先輩は、ゆっくり頷いた。
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