【完結】bitter step!
「そうじゃなきゃ、今でも一緒にはいない」

この人が、導いてくれる。

「君は、彼女が、大事なんだ。好きなんだよ」

答えを、

「認めてしまえばいい。楽になるから」

――くれる。


「……また、泣く?」

先輩が突然そんなことを言いながら両手を広げて笑ったから、ボクはようやく、自分がまた泣きかけていることに気付いた。


「泣……か、ない」

くしゃりと顔を崩して笑った先輩が、ボクの頭を撫でた。


ボクが麦茶をこぼしたテーブルの上は、いつの間にか元通り綺麗に片付いていた。
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