【完結】bitter step!
『――……おう』

「……うん」

気まずいのは、お互い様だ。
ボクよりも、きっと純平の方が辛いはずだった。


『……1人?』

「うん」


苦しまないでって、助けてやりたいって、あんなに強く思っていたはずなのに。
最後に追い詰めたのは、ボクだった。


『なぁ、アレさ……木曜日の、アレ』

「……うん」

心臓をギュッと握られたような痛みが、胸に走る。
何を言われるのか……怖かった。


『やっぱ、なかったコトになんか――、出来ねぇみたい、俺』
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