【完結】bitter step!
「大丈夫だって。俺自信あるから」

「何が……ッ!」

「テストが終わったら、美紗はちゃんと戻ってくるって」

「なんでそう言い切れるのさ!」


純平の手から不意に力が抜けて、自由になったボクの右手はドンッと強く彼の胸を叩く。
渾身の力だったはずなのに、純平はビクともしなかった。

悔しい。
ちゃんとした女の子の要素なんか何にも持ってないのに、本物の男には絶対にかなわない力の差。
ボクと純平は対等にはなれないって思い知らされたみたいだった。


「俺の方がお前よりずっと、アイツのこと見てきたからだよ」


揺るがない自信、ボクの力では動かない身体、圧倒的な想いを込めた言葉、ブレない視線。
純平は、はっきりとそう言い切った。


「だから分かんだよ」

もう一度ニッと笑った純平のその言葉を、……信じていいのだと、思った。
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