【完結】bitter step!
そう、2人の言う通りだ。

だからボクも喜んだよ。
先輩が丁寧にボクの弱点をひとつひとつ潰していってくれたおかげだって、感謝の気持ちを伝えた。

それなのに。


「先輩、まるでユーレイでも見たような驚き様だった」

ボクのその例えに、純平が咳き込むようにして吹き出した。


「……なおがどれくらい物理が苦手か、ちゃんと教えておいたのに」

美紗の忌々しそうな低い小さな呟きには、若干の怒りさえ含まれている。


でも仕方ないんだ、先輩が潰したはずの弱点、先輩が点が取れると踏んでいた箇所も、ボクはボロボロと間違えていたんだし。
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