【完結】bitter step!
「は――……60ッ!?」

「……信じられない」

説明しながらゆるゆると歩き、ちょうど校舎を出たところで2人は驚きの声をあげる。

「あはは、ボクも最初信じられなかった」


だって、ボクは赤点さえ取らなければそれでいいと思っていたから。

でも先輩は、分かる【喜び】と、制限時間に邪魔される【悔しさ】を教えてくれた。
設定された60点という目標は、先輩が伸ばしてくれたボクの力と制限時間のせめぎ合いの、ギリギリのポイントだったんだ。


「……60点って、設定したのは先輩だけど。それ聞いて絶対取りたいって、ボク、自分の意思でそう思ったんだよ」
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