【完結】bitter step!
「それ、は……」

「デート!? え、公衆の面前でデートの誘いっすか!?」

まとまらない思考を、純平のテンション高い声が掻き乱した。


「うるさいな、邪魔するな純平」

追い払うように先輩に言われても簡単には引き下がらない純平は、

「おい、どーすんだよ? なお!」

今度はボクの方へと話を振ってくる。

ああ、頼むから静かにして。
考えがまとまらないんだ、さっきから。


「……デート、とかじゃなくてさ。勉強教えたお礼ってことなら、どう?」


なかなか返事をしないボクに、先輩はズルい妥協案を差し出した。
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