【完結】bitter step!
「うっわ、その誘いはきたねえ!」

と、純平が大げさに声をあげる。


本当に、ずるい。
断る理由が――、どこにも、ないじゃんか。


「……ボク、まだ、死にたくないです」

苦し紛れに、あの日と同じ言葉を繰り返す。

「まだ日はあるから。ちゃんと、練習しておくよ」

退路はその言葉と微笑みによって簡単に断たれ、もはや先輩とドライブ――花見? に行くことは、決定事項となってしまった。


――きっとその日が、解決していない、ずっと後回しにしてきたボクと彼との問題の、本当のタイムリミットになるんだ。
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