【完結】bitter step!
「嘘、吐くなよ美紗」

純平の手を払って、ボクは美紗に睨みを利かせた。


だけど彼女は全く意に介さない様子で薄ら笑いを浮かべたまま、平然と言い放った。

「だってああでもして無理やり場を作ってあげないと、なおは中々生徒会長とお近づきにならないだろうと思って」

「――……は……ッ?」


意味が、分からない。
何?
ボクが響先輩と?


「1週間毎日生徒会長と2人きりで、仲良くなれたでしょう?」

美紗の笑顔が、全然崩れなくて。

「予想以上に距離が縮まってたから、昨日はちょっと驚いちゃった」


――本気で言っているのか、繕った嘘なのか、見えなくなった。
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