【完結】bitter step!
「だから、そうだってば。……ごめんなさいね、沢山悩ませて」


こういう、ボクを宥めようとする時。
……背の低い美紗は、純平が頭をガシガシしたり響先輩が手のひらをポンと頭に乗せるのと同じ感覚で、ボクに抱きついてくる。


「ちょっと荒療治だったわね。……ごめんね、なお」


そして上目づかいに見上げられたら、可愛くてしょうがなくて、抱きしめてめちゃくちゃにしたい――と、いつも思ってた。


「別に、いい。もう――、どうでも、いい」


なのに今は、全然そんな風に、思えない。
冷たい言葉を放って、抱きつく美紗を無理やり引きはがした。
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