【完結】bitter step!
「あの先輩のおかげね!」

「……そうだね」


今日はご馳走でお祝いしましょ、と機嫌よく立ち上がった母を見て、夕飯はハンバーグと唐揚げだと確信した。
肉に肉を合わせてくるところは何とも母さんらしく、昔から彼女がご馳走と言う時は必ずそうだったから。


物理のテストは、58点だった。
目標――達成、ならずだ。


「唐揚げだけでいいよ」

ハンバーグは!? と慌てる母に、その代わりにポテトサラダを要求してからリビングを退散した。


その肉肉しい献立を堪能するのは、もう少し後でいい。
ハンバーグは、まだ、お預けだ。
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