【完結】bitter step!
「あー、無駄にフェロモンばらまいちったな」


言いながら肩こりをほぐすように首を左右交互に伸ばす梶原の姿は普段通りで、ついさっきまでの大人びたエロい雰囲気などどこにもなかった。
言葉の通り、自由自在にフェロモンを操っているとしか思えない。


「……フェロモンマスター」

「ちょ! その呼び方やめてー!」

ボクの言葉に身をよじって笑う梶原には、もうフェロモンの欠片も感じられない。
だがやめてと言う割に、まんざらでもなさそうに見えるのは気のせいか。


「いやー、尊敬するわそのテク」

言ってはみたが、ボクにはそれを習得したところで使い道もなさそうだけど。
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