【完結】bitter step!
『ギブアンドテイク』

――意味ありげな言葉に誘われて別館に向かったその日の昼休み、梶原はボクを、自身の所属する男子バスケ部のマネージャーに誘った。


つまりボクの『ギブ』は、突然辞めた女マネの代打ということらしかった。

マネージャーがこの半端な時期に辞めていったことについて、詳しい理由は聞かせてもらえなかった。
ボクという人材が辞めたマネージャーの後がまに【ぴったり】らしいのだが、どういう事情でどういう人材を求めていたのかも、梶原は言葉を濁して教えてくれない。


そして『テイク』は、既に真しやかに囁かれつつある噂への対策だ。

ボクらが一緒に登下校しなくなったという事実は、あまりにも早く学校中に知れ渡ったらしい。
歪んだ適当な尾ひれを、それはもういっぱい付けて。
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