【完結】bitter step!
そっか。
なんか、すっきりしたかも。

いや正直に言えば、上手く騙されたような気だってしなくもない。
ボクだってさすがに、【好き】にも種類があることくらいは知ってるんだから。


けど、美紗が純平を、純平が美紗を好きだから2人は付き合う、っていう短絡的な公式が間違っていることだけは、ちゃんと理解できた。
だって僕は純平を、純平はボクを好きだと言ったけど、ボクらが付き合うという結論は出ないもん(絵面がBLだ!)


「ごめんね。美紗があんまり可愛いから、いじめたくなっちゃったんだよ」

へらっと笑ってそう言ったら、美紗はボッと頬を赤らめて睨みつけてきた。

ああ、本当に可愛い。
思わず抱きつこうとしたら、また純平に止められたけど。


話し込んだせいで(実際はボクの遅刻のせいでもある)いつもより遅くなってしまったが、ボクたちは学校へ向けてやっと歩き出した。


「――付き合うとか、ボク、よく分かんねーし」

純平のおかげで、ボクは少しだけ冷静になれていた。

「断るつもりだったんだ」


ちゃんと説明しなかったのがいけないのかもしれない。
だから美紗に、あんな風な質問をさせてしまった。
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