【完結】bitter step!
「2回目も見間違いだと思った。でも、3回目で確信した」


良く見たから。
間違えようがない。

美紗の弱々しい言葉が、途切れ途切れに後に続いた。


「うん。……それで?」

「助手席に――、」


美紗の、コーヒーカップを持つ手が震えた。
怒り――ではなく。
それは多分、ボクを案ずる気持の表れだ。


「大丈夫。いいよ、続けて」

何を聞いても、もう、そう簡単に傷つかないから、ボクは。
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