【完結】bitter step！

「女の人……、すごく――大人の。綺麗な――」

３回とも！　と突然大声を出した美紗の手から、ボクはカップをそっと取ってテーブルに置いた。


「それを、見たんだね」

「そうよ！　許せない、あの男。なおのこと好きだなんて近づいてきて、自分から誘っておいて、あんな――、」


続けて発せられた、『助手席の女』を罵倒する言葉があまりにも感情的で――、

「身体の線むき出しの服で化粧は濃いし真っ赤な爪もサングラスも生徒会長を見下したような態度も、全部何もかもいやらしい女なのよ！」

と美紗が叫んだ時、ボクはその女を想像してつい


「……ふ……っ！」

笑ってしまった。


「笑いごとじゃない！　最低よあんな男、あの人だけは駄目よなお。騙されてるのよ！」