【完結】bitter step!
「うそ」と呆然と呟いた美紗は、一瞬遅れて勘違いに気付いたのか一気に赤面した。


「やだ」

顔を両手で覆って一生懸命隠そうとしているけど全然無駄だ。
可愛すぎるこの小動物をからかっていじめるのが、ボクは昔から大好きだった。


「そんなにボクが好き?」

下から顔を覗き込むようにしてそう言うと、赤かった顔から、スッと血の気が引いてしまった。


大丈夫、怯えないで。
ボクにはちゃんと真実が見えたから。

だから会いに来ようと思ったんだ。
理解できない、許せないと思ってしまった美紗の気持ちを、ボクはちゃんと見つけたんだよ。


3人の関係を壊すことを恐れて、ずっと昔に抑圧して押し殺したボク自身の初恋に、きちんとけじめをつけられたから。

だから気付けたんだ。
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